第5回 課題2の【解説】 HO5_1009
特許を受ける者 【問1】 B社は,A社が先にした出願の明細書に記載された発明と同一の発明について出願した。A社は出願公開後,権利化方針を見直し出願を放棄した場合に,B社の出願は拡大先願を理由として排除されるか。p.61 先願の発明は既に公開されており,後願は何ら新しい発明を世の中に公開するものでないから,B社の出願は拡大先願を理由として排除される。ただし,発明者が同じ場合は排除されない。29条の2 【問2】X大学の学部生が発明をした場合,その発明は大学との関係で職務発明に該当するか。p.79 p.74 職務発明であるためには従業者であることが条件であり,大学の学生は大学との関係において従業者ではなく,職務発明に該当しない。35条 (特許の要件) 第二十九条の二 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法 (昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項 の規定により同項 各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては,同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは,その発明については,前条第一項の規定にかかわらず,特許を受けることができない。ただし,当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは,この限りでない。 (職務発明) 第三十五条 使用者,法人,国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は,従業者,法人の役員,国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し,かつ,その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき,又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは,その特許権について通常実施権を有する。 2 従業者等がした発明については,その発明が職務発明である場合を除き,あらかじめ使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ又は使用者等のため仮専用実施権若しくは専用実施権を設定することを定めた契約,勤務規則その他の定めの条項は,無効とする。 3 従業者等は,契約,勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ,若しくは使用者等のため専用実施権を設定したとき,又は契約,勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等のため仮専用実施権を設定した場合において,第三十四条の二第二項の規定により専用実施権が設定されたものとみなされたときは,相当の対価の支払を受ける権利を有する。 4 契約,勤務規則その他の定めにおいて前項の対価について定める場合には,対価を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況,策定された当該基準の開示の状況,対価の額の算定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況等を考慮して,その定めたところにより対価を支払うことが不合理と認められるものであつてはならない。 5 前項の対価についての定めがない場合又はその定めたところにより対価を支払うことが同項の規定により不合理と認められる場合には,第三項の対価の額は,その発明により使用者等が受けるべき利益の額,その発明に関連して使用者等が行う負担,貢献及び従業者等の処遇その他の事情を考慮して定めなければならない。 |