No17 メリヤス編機事件
 最大510310 特許法123 条 (昭42(行ツ)28 号)
【要旨】  特許無効の審判で審理判断されなかった事実との対比における特許無効原因を審決取消訴訟において主張することは,許されない。
【判示】  法が定めた特許に関する処分に対する不服制度及び審判手続の構造と性格に照らすときは,特許無効の抗告審判の審決に対する取消の訴においてその判断の違法が争われる場合には,専ら当該審判手続において現実に争われ,かつ,審理判断された特定の無効原因に関するもののみが審理の対象とされるべきものであり,それ以外の無効原因については,右訴訟においてこれを審決の違法事由として主張し,裁判所の判断を求めることを許さないとするのが法の趣旨であると解すべきである。
  特許法は特許出願に関する行政処分が誤ってされた場合におけるその是正手続については,一般の行政処分の場合と異なり常に専門的知識経験を有する審判官による審判及び公告審判の手続きの経由を要求するとともに,取消の訴えは,原処分である特許又は拒絶査定の処分に対してではなく,抗告審判の審決に対してのみこれを認め,右訴訟においては,専ら右審決の適法違法のみを争わせ,特許又は拒絶査定の適否は,抗告審判の審決の適否を通じてのみ間接にこれを争わせるにとどめていることが知られるのである。
  以上の次第であるから,審決の取消訴訟においては,抗告審判の手続きで審理判断されなかつた公知事実との対比における特許無効原因は,審決を違法とし,又はこれを適法とする理由として主張することができないといわなければならない

【解説】  大法廷判決であり,その後も知的財産関係ではない。
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