No2 特許 新規性喪失の例外
 最二011110 特許法30 条1 項, 65 条の2
【要旨】  特許出願した発明が内外の公開特許公報に掲載されることは,特許法30 条1 項にいう 「刊行物に発表」することには該当しない。
【判示】  特許を受ける権利を有する者が,特定の発明について特許出願した結果,その発明が公 開特許公報に掲載されることは,特許法30 条1項にいう「刊行物に発表」することには該当しな いものと解するのが相当である。
 けだし,同法29 条1 項のいわゆる新規性喪失に関する規定の例 外規定である同法30 条1 項にいう「刊行物に発表」するとは,特許を受ける権利を有する者が自 ら主体的に刊行物に発表した場合を指称するものというべきところ,公開特許公報は,特許を受 ける権利を有する者が特許出願をしたことにより,特許庁長官が手続の一環として同法65 条の2 の規定に基づき出願にかかる発明を掲載して刊行するものであるから,これによって特許を受ける 権利を有する者が自ら主体的に当該発明を刊行物に発表したものということができないからである。
 そして,この理は,外国における公開特許公報であっても異なるところはない。

【解説】  「30条の「刊行物に発表し」に該当するためには自ら主体的に発表したことを要し,公 開公報は特許出願手続きの一環として特許庁長官が刊行するものであるからこれに該当しな い。」
  この論から行くと学会の発表も同じことが言える。すなわち,学会発表は投稿したことによ り学会が査読して選択した結果,学会が主体的に論文を掲載して刊行するものであるから,投 稿者が自ら主体的に刊行物に発表したものということができない,ともいえる。
  しかし,この判決のおかげで外国公報を含め,特許公報を30条適用にできないことが明白 となった。それまでは,特許庁の審査官が審査の参考とする審査便覧において,特許公報を3 0条の適用対象と明示していた時代もあり,その後,削除して明示することを避けていた経緯 がある。《24.4 改正施行》
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