No43 法政大懸賞論文事件
 東高031219  著作権法20 条2 項
【要旨】  学生の研究論文を,表記の統一ため句読点を含め変更することは,教科用の図書の場合と異なり同一性保持権侵害となる。
【判示】  「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないと認められる改変」の意義についてみると,20条二項の規定が同条一項に規定する同一性保持権による著作者の人格的利益保護の例外規定であり,かつ,例外として許容される改変における著作物の性質,利用の目的及び態様に照らすと,同条4 号の「やむを得ないと認められる改変」に該当するというためには,利用の目的及び態様において,著作権者の同意を得ない改変を必要とする要請がこれらの法定された例外的場合と同程度に存在することが必要であると解するのが相当というべきである。
  本件論文は大学における学生の研究論文であり,また,本件雑誌が大学生を対象としたものであることからすると,利用の目的において,教科用の図書の場合と同様に改変を行わなければ,大学における教育目的の達成に支障が生ずるものとは解し難いし,また,他の論文との表記の統一がいかなる理由で要請されるのかも明確ではない。

【解説】  内容の前に論文も見た目が大事だと思うのですが・・・
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