【要旨】 既存の著作物に接する機会がなく,その存在,内容を知らなかつた者は,これを知らなかつたことにつき過失があると否とにかかわらず,既存の著作物に依拠した作品を再製するに由ないものであるから,既存の著作物と同一性のある作品を作成しても,著作権侵害の責に任じなければならないものではない。 |
【判示】 著作者は,その著作物を複製する権利を専有し,第三者が著作権者に無断でその著作物を複製するときは,偽作者として著作権侵害の責に任じなければならないとされているが,ここにいう著作物の複製とは,既存の著作物に依拠し,その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいうと解すべきであるから,既存の著作物と同一性のある作品が作成されても,それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは,その複製をしたことにはあたらず,著作権侵害の問題を生ずる余地はないところ,既存の著作物に接する機会がなく,従つて,その存在内容を知らなかつた者は,これを知らなかつたことにつき過失があると否とにかかわらず,既存の著作物に依拠した作品を再製するに由ないものであるから,既存の著作物と同一性のある作品を作成しても,これにより著作権侵害の責に任じなければならないものではない。 |
【解説】 長い一文 |