No2 パロデイ
最三550328 著作権法32 条
【要旨】  引用にあたるというためには,引用して利用する側の著作物と,引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ,かつ,両著作物の間に前者が主,後者が従の関係があると認められる場合でなければならない。
【判示】  引用とは,紹介,参照,論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録することをいうと解するのが相当であるから,引用にあたるというためには,引用を含む著作物の表現形式上,引用して利用する側の著作物と,引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ,かつ,両著作物の間に前者が主,後者が従の関係があると認められる場合でなければならないというべきであり,引用される側の著作物の著作者人格権を侵害するような態様でする引用は許されないことが明らかである。
  他人が著作した写真を改変して利用することによりモンタージュ写真を作成して発行した場合において,右モンタージュ写真から他人の写真における本質的な特徴自体を直接感得することができるときは,右モンタージュ写真を一個の著作物とみることができるとしても,その作成発行は,右他人の同意がない限り,その著作者人格権を侵害するものである。
  雪の斜面をスノータイヤの痕跡のようなシュプールを描いて滑降して来た六名のスキーヤーを撮影して著作した判示のようなカラーの山岳風景写真の一部を省き,右シュプールをタイヤの痕跡に見立ててその起点にあたる雪の斜面上縁に巨大なスノータイヤの写真を合成して作成した判示のような白黒のモンタージユ写真を発行することは,右山岳風景写真の著作者の同意がない限り,その著作者人格権を侵害するものである。

【解説】  ★裁判官環昌一の補足意見:本件において被上告人の意図するようなパロデイとしての表現の途が全く閉ざされるものとは考えられない(例えば,パロデイとしての表現上必要と考える範囲で本件写真の表現形式を模した写真を被上告人自ら撮影し,これにモンタージユの技法を施してするなどの方法が考えられよう。)から,上告人の一方に偏することとなるものでもないと思う。
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