【要旨】 高村光太郎以外の者が「智惠子抄」の編集に関与した事実があるとしても,格別の事情の存しない限り,光太郎自らもその編集に携わった事実が推認される。 |
【判示】 本件編集著作物である「智惠子抄」は,詩人である高村光太郎が既に公表した自らの著作に係る詩を始めとして,同人著作の詩,短歌及び散文を収録したものであって,その生存中,その承諾の下に出版されたものであることは,原審の適法に確定した事実である。
そうすると,仮に光太郎以外の者が「智惠子抄」の編集に関与した事実があるとしても,格別の事情の存しない限り,光太郎自らもその編集に携わった事実が推認されるものであり,したがって,その編集著作権が,光太郎以外の編集に関与した者に帰属するのは,極めて限られた場合にしか想定されないというべきである。 |
【解説】 ★ |