| 問２５ 特許 |
ア〜ウを比較して，特許権に係る契約に関して，最も適切と考えられるものはどれか。
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| 選択肢 | ア 特許権が共有に係るときは，各共有者は，他の共有者の同意を得なくとも，自己の持分を譲渡することができる。 |
| イ 特許権者は，自己の特許権の全範囲について，専用実施権を設定したときには，特許発明を実施できない。 | |
| ウ 特許権者は，内容，地域，期間を限定して他人に通常実施権を許諾することはできない。 | |
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正解 イ ア：【×】共有特許権の譲渡は他の共有者の同意を要す イ：【○】専用実施権は，独占的に実施する権利で特許権者も実施できない ウ：【×】通常実施権は実施しても権利侵害といわれない権利で複数人に許諾可能 【解説】 共有の特許権であれば，共有者の規模等により特許権による利益が左右されることから，自分の持ち分についても他人に譲渡する場合は共有者の同意が必要である。 専用実施権は，特許権を独占的に実施できる権利であるから，特許権者が実施できるとする契約をしない限り，特許権者であっても実施できない。 特許権者は特許発明を実施する権利を専有するが，その特許発明について実施をする権利を他人に許諾することができ，この許諾には専用実施権の設定の場合と同様，時間的，内容的，地域的等種々の制限を付することができる。また，通常実施権は債権的な性格を有するので，同時に同一内容の通常実施権を二人以上の者に許諾することができ，実施権の許諾後においても特許権者自らが実施をすることも可能である。物権的な権利とされる専用実施権と著しく違う点である。
《特許法》
（共有に係る特許権） 第七十三条 特許権が共有に係るときは，各共有者は，他の共有者の同意を得なければ，その持分を譲渡し，又はその持分を目的として質権を設定することができない。 ２ 特許権が共有に係るときは，各共有者は，契約で別段の定をした場合を除き，他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。 。 （特許権の効力） 第六十八条 特許権者は，業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし，その特許権について専用実施権を設定したときは，専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については，この限りでない。 （通常実施権） 第七十八条 特許権者は，その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。 ２ 通常実施権者は，この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において，業としてその特許発明の実施をする権利を有する。 |