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No.1250  著作権法
【問】
  著作権法上の職務著作の成立要件として,契約や就業規則にあらかじめ職務著作の対価に関する規程を定めておくこと,が必要である。

【解説】 【×】  
  職務著作の成立要件としては,法人の発意により,従業員が職務上作成する著作物であることが必要であり,職務著作に関する規程があれば著作者が従業員となり,法人は著作者とならない。

【以下,私見】
  職務著作の定義が法文上明確でなく,法人が著作者となることを職務著作としている場合があるが「法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(以下「職務著作」という。)との規定があれば,素直に理解できる。
特許法35条の職務発明と同様の規定が望ましいと考える。

(職務上作成する著作物の著作者)
第十五条  法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で,その法人等が自己の著作の名義の下に公表するもの著作者は,その作成の時における契約,勤務規則その他に別段の定めがない限り,その法人等とする。
2  法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は,その作成の時における契約,勤務規則その他に別段の定めがない限り,その法人等とする。

特許法
(職務発明)
第三十五条
 使用者,法人,国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は,従業者,法人の役員,国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し,かつ,その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき,又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは,その特許権について通常実施権を有する。
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H29.12.17