No.1681 意匠法 【問】 上級 肉眼では細部まで観察することができない極小の歯車は,取引の際,拡大観察することが通常であっても,意匠登録の対象とならない。 【解説】 【×】 意匠法が対象とする意匠は,有体物で取引の対象となる動産で,物品性,形態性,視覚性を備えている物であり,ここで視覚性とは取引の段階で拡大観察することが通常であれば,この要件を備えている。 参考:平成18年3月31日 知財高裁 「コネクター接続端子」肉眼によって認識することができない微小な意匠が,「視覚を通じて美感を起こさせるもの」に当たるとして,意匠登録を受けることができる場合 (定義等) 第二条 この法律で「意匠」とは,物品(物品の部分を含む。第八条を除き,以下同じ。)の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合であつて,視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。 (意匠登録の要件) 第三条 工業上利用することができる意匠の創作をした者は,次に掲げる意匠を除き,その意匠について意匠登録を受けることができる。 意匠審査基準 第2部 意匠登録の要件 第2章 新規性 (3) 形態の認定及び形態における共通点・差異点の認定 (@) 肉眼による観察 観察は,肉眼による視覚観察を基本とする(ただし,肉眼によって認識できないものであっても,取引の際,拡大観察することが通常である場合には,肉眼によって認識できるものと同様に扱う。)。これは,通常物品は,選択・購入の際に肉眼によって観察され,肉眼によって認識することのできる形態全体からなる美感が,その意匠に係る物品の選択・購入を左右するからである。なお,意匠全体の形態は肉眼によって認識することができるが,一部の形態は微細なために肉眼によっては認識できない場合には,肉眼によって認識できる形態のみを意匠の形態として認定し,類否判断を行う。 |
H30.6.30