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No.1691 特許法
【問】 上級
  甲は特許権Aに係る特許発明の実施能力を持たない事業者であり,特許権Aに係る特許発明は,実施されないまま設定の登録から4年以上が経過した。その後,特許権Aに係る特許発明の実施をしようとする乙は,甲に対し,通常実施権の許諾について協議を求めたが,成立しなかった。このとき,乙は,経済産業大臣に対して,不実施の場合の通常実施権の設定の裁定(特許法第83 条)を請求することができる。

【解説】 【×】
  特許発明が実施されていない場合,実施をしようとする者は使用許諾の協議を求め,許可が出なければ特許庁長官に裁定を請求し,実施する権利の設定を請求できる。
  公共の利益のために実施しようとする場合は,政治的判断が必要となることから,特許庁長官ではなく,経済産業大臣に対しての請求となる。

(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)
第八十三条  特許発明の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは,その特許発明の実施をしようとする者は,特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし,その特許発明に係る特許出願の日から四年を経過していないときは,この限りでない。
2  前項の協議が成立せず,又は協議をすることができないときは,その特許発明の実施をしようとする者は,特許庁長官の裁定を請求することができる。
(公共の利益のための通常実施権の設定の裁定)
第九十三条  特許発明の実施が公共の利益のため特に必要であるときは,その特許発明の実施をしようとする者は,特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
2  前項の協議が成立せず,又は協議をすることができないときは,その特許発明の実施をしようとする者は,経済産業大臣の裁定を請求することができる。

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H30.7.15