No.457 商標 【問】 対比される商標から生ずる称呼が同一であっても,外観,観念,取引の実情を総合的に考慮した結果,互いに非類似の商標と判断される場合がある。 【解説】 【○】商標の外観,観念又は称呼の類似は,その一において類似するものでも,他において異なり商品の出所に誤認混同をきたすおそれのないものについては,類似商標と解すべきでない。 最二430227 氷山事件:商標法4条1項15号 【判示】 :商標の外観,観念または称呼の類似は,その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず,従って,右三点のうちその一において類似するものでも,他の二点において著しく相違することその他取引の実情等によって,なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては,これを類似商標と解すべきではない。 糸一般を指定商品とし「しようざん」の称呼をもつ商標と硝子繊維糸のみを指定商品とし「ひようざん」の称呼をもつ商標とでは,右両商標が外観および観念において著しく異なり,かつ,硝子繊維糸の取引では,商標の称呼のみによって商標を識別しひいて商品の出所を知り品質を認識するようなことがほとんど行なわれないのが実情であるときは,両者は類似でないと認めるのが相当である。 |