No.512 商標法 【問】 商標権者が,故意により自己の商標権を侵害した者に対し,その侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その者がその侵害の行為を組成した商品を譲渡したときは,譲渡数量に商標権者がその侵害の行為がなければ販売することができた商品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を,商標権者が受けた損害の額とすることができる。 【解説】 【○】知的財産権については,損害の額を確定することは困難な場合が多く,権利者の権利保護を篤くするために損害額の推定規定を設けている。損害の数量に比べて,金額を証明することは非常に困難であることから,比較的容易な損害数量を証明できれば,権利者の利益を計算の根拠にできることを規定した。 特許法や意匠法等にも規定がある。 一覧表(経済産業省HP)57ページ (損害の額の推定等) 第三十八条 商標権者又は専用使用権者が故意又は過失により自己の商標権又は専用使用権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その者がその侵害の行為を組成した商品を譲渡したときは,その譲渡した商品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に,商標権者又は専用使用権者がその侵害の行為がなければ販売することができた商品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を,商標権者又は専用使用権者の使用の能力に応じた額を超えない限度において,商標権者又は専用使用権者が受けた損害の額とすることができる。ただし,譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を商標権者又は専用使用権者が販売することができないとする事情があるときは,当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。 |