問の【解説】 No.55   平成27年11月8日 前回 次回
 特許法:補正

【問】

 特許出願において,自発補正が認められると,補正をした内容は出願時に遡って効果が生じる。

【解説】

  【○】 補正の本来の効果であり,適法な補正は出願時から効果を生じる。
 訂正の効果は128条に規定されるが,出願時の補正の効果規定は設けていない。
 訂正でさえ出願時にしたものとみなされるのであるから,いわんや補正をやである。
 不適法な補正が査定前に発見されると拒絶理由であり,53条却下がなされ,査定後であれば無効理由となる。   特許法17条の2,53条

(願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面の補正)
第十七条の二

 特許出願人は,特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。ただし,第五十条の規定による通知を受けた後は,次に掲げる場合に限り,補正をすることができる。
一  第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において,第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
二  拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において,同条の規定により指定された期間内にするとき。
三  拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において,最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。

(訂正審判)
第百二十八条

 願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは,その訂正後における明細書,特許請求の範囲又は図面により特許出願,出願公開,特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす

(補正の却下)
第五十三条

 第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては,拒絶の理由の通知と併せて第五十条の二の規定による通知をした場合に限る。)において,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面についてした補正が第十七条の二第三項から第六項までの規定に違反しているものと特許をすべき旨の査定の謄本の送達前に認められたときは,審査官は,決定をもつてその補正を却下しなければならない。

(拒絶の査定)
第四十九条

 審査官は,特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは,その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一  その特許出願の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面についてした補正が第十七条の二第三項又は第四項に規定する要件を満たしていないとき。

(特許無効審判)
第百二十三条

 特許が次の各号のいずれかに該当するときは,その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。この場合において,二以上の請求項に係るものについては,請求項ごとに請求することができる。
一  その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたとき。
 

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