問の【解説】 No.69   平成27年11月22日 
 前回 次回  【戻る】  【ホーム】 
著作権法:外国人の著作物

【問】

 外国人の著作物は,日本国内では保護されないため,自由に利用することができる。

【解説】

  【×】 著作権法は,原則日本国民を対象としているが,条約により我が国が義務を負う場合は,条約を優先して遵守する必要がある。
 ベルヌ条約により,我が国の国民の著作物が条約加盟国で保護されるのと同様,条約加盟国の外国人の著作物を我が国でも日本国民と同様にその著作物は保護される。
条約は,
 文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約
 実演家,レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約「実演家等保護条約」
 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約「実演・レコード条約」

(条約の効力)
第五条

 著作者の権利及びこれに隣接する権利に関し条約に別段の定めがあるときは,その規定による
  (保護を受ける著作物)
第六条

 著作物は,次の各号のいずれかに該当するものに限り,この法律による保護を受ける。 一  日本国民(わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
二  最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが,その発行の日から三十日以内に国内において発行されたものを含む。)
三  前二号に掲げるもののほか,条約によりわが国が保護の義務を負う著作物

ベルヌ条約 第五条
(1)著作者は,この条約によって保護される著作物に関し,その著作物の本国以外の同盟国において,その国の法令が自国民に現在与えており又は将来与えることがある権利及びこの条約が特に与える権利を享有する
(2)(1)の権利の享有及び行使には,いかなる方式の履行をも要しない。その享有及び行使は,著作物の本国における保護の存在にかかわらない。したがって,保護の範囲及び著作者の権利を保全するため著作者に保障される救済の方法は,この条約の規定によるほか,専ら,保護が要求される同盟国の法令の定めるところによる。
 

【戻る】   【ホーム】