No.1848 独占禁止法 【問】 中級 特許権に係る実施権のライセンスの期間終了日を,ライセンス対象の特許権の満了日よりも後に設定して実施料の支払義務を課すことは,独占禁止法に違反しない。 【解説】【×】 特許権は独占権であるので実施料の支払義務を課すことは自由であるが,独占権が有効な間でのみ行使しうる権利であり,権利の消滅後にも何らかの義務を課すことは正当な競争を阻害するものである。 なお,権利の有効な期間における実施料を,権利消滅後に支払う,後払いは正当な取引である 。 参考 Q980 (侵害とみなす行為) 第二条 ○9 この法律において「不公正な取引方法」とは,次の各号のいずれかに該当する行為をいう。 五 自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して,正常な商慣習に照らして不当に,次のいずれかに該当する行為をすること。 イ 継続して取引する相手方(新たに継続して取引しようとする相手方を含む。ロにおいて同じ。)に対して,当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させること。 ロ 継続して取引する相手方に対して,自己のために金銭,役務その他の経済上の利益を提供させること。 知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針 (3) 権利消滅後の制限 ライセンサーがライセンシーに対して,技術に係る権利が消滅した後において も,当該技術を利用することを制限する行為,又はライセンス料の支払義務を課 す行為は,一般に技術の自由な利用を阻害するものであり,公正競争阻害性を有 する場合には,不公正な取引方法に該当する(一般指定第12 項)。ただし,ライ センス料の支払義務については,ライセンス料の分割払い又は延べ払いと認めら れる範囲内であれば,ライセンシーの事業活動を不当に拘束するものではないと 考えられる。 |
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