No.111
商標法:使用権
【問】 商標権者は,同一の設定行為で定めた範囲について,複数の通常使用権を許諾できる。 【解説】 【○】 他人に商標を使用させるには,専用使用権と通常使用権があり,専用使用権は独占的な使用権であるのに対し,通常使用権は,権利侵害といわれないだけの債権的性格の権利であり,複数人に許諾することが可能である。 通常使用権は,第三者に対抗するためには商標原簿に登録することが必要である。 (通常使用権) 第三十一条 商標権者は,その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。ただし,第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権については,この限りでない。 2 通常使用権者は,設定行為で定めた範囲内において,指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有する。 3 通常使用権は,商標権者(専用使用権についての通常使用権にあつては,商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り,移転することができる。 4 通常使用権は,その登録をしたときは,その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても,その効力を生ずる。 5 通常使用権の移転,変更,消滅又は処分の制限は,登録しなければ,第三者に対抗することができない。 6 特許法第七十三条第一項 (共有),第九十四条第二項(質権の設定)及び第九十七条第三項(放棄)の規定は,通常使用権に準用する。 更問:通常使用権を登録しない場合は,第三者に対抗する手段は全くないのか。 |
H29.6.12