No.2091 条約 【問】 上級 TRIPs協定に関し,加盟国は,公の秩序又は善良の風俗を守ることを目的として,商業的な実施を自国の領域内において防止する必要がある発明を特許の対象から除外することができるが,人,動物若しくは植物の生命若しくは健康を保護し又は環境に対する重大な損害を回避することは,ここでいう公の秩序又は善良の風俗を守ることに含まれない。 【解説】 【×】 我が国において特許制度は産業の発達に寄与する発明を保護するものであるが,その前提は,個人の人権と公共の福祉に反しないことであり,公衆の健康や衛生並びに環境を害する発明は特許を受けることができない。これと同様の規定は「TRIPs協定」においても定められている。 参考 Q1570 第8条 原則 (1) 加盟国は,国内法令の制定又は改正に当たり,公衆の健康及び栄養を保護し並びに社会経済的及び技術的発展に極めて重要な分野における公共の利益を促進するために必要な措置を,これらの措置がこの協定に適合する限りにおいて,とることができる。 第27条 特許の対象 (2) 加盟国は,公の秩序又は善良の風俗を守ること(人,動物若しくは植物の生命若しくは健康を保護し又は環境に対する重大な損害を回避することを含む。)を目的として,商業的な実施を自国の領域内において防止する必要がある発明を特許の対象から除外することができる。ただし,その除外が,単に当該加盟国の国内法令によって当該実施が禁止されていることを理由として行われたものでないことを条件とする。 特許法 (特許を受けることができない発明) 第三十二条 公の秩序,善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については,第二十九条の規定にかかわらず,特許を受けることができない。 |
H31.1.26