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 特許法:実施 2級
【問】 特許発明Aの特許権者甲から,その特許権について通常実施権の許諾を受けた乙は,甲が特許発明Aを利用する特許発明Bについての特許権者でもあるときは,甲から特許発明Bに係る特許権について,別途,通常実施権の許諾を受けていなくとも,特許発明Bを実施することができる。

【解説】 【×】27_56  29条の2,39条D
 特許権は,基本発明について権利が発生するだけでなく,その利用についても特許権が発生し,各権利は独立した者である。特許権者は,利用発明について独立して通常実施権を設定することができるから,利用者も個別に権利設定を受けることが必要である。
 なお,通常実施権については,登録は必要なく当事者間の契約の事実があれば,第三者にも対抗できる。
 「売買は賃貸借を破る」が,特許権が移転されても通常実施権者は契約の事実により新しい特許権者に対抗できる。

(通常実施権)  第七十八条
   特許権者は,その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。
2 通常実施権者は,この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において,業としてその特許発明の実施をする権利を有する
(他人の特許発明等との関係) 第七十二条
 特許権者,専用実施権者又は通常実施権者は,その特許発明がその特許出願の日前の出願に係る他人の特許発明,登録実用新案若しくは登録意匠若しくはこれに類似する意匠を利用するものであるとき,又はその特許権がその特許出願の日前の出願に係る他人の意匠権若しくは商標権と抵触するときは,業としてその特許発明の実施をすることができない。

 
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