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 特許法:訴訟 2級
【問】 審決取消訴訟において,当事者が,審判手続では取り調べられなかった特許公報を証拠として取り調べることを請求した場合,裁判所は,当該特許公報を証拠として取り調べることはできない。

【解説】 【×】27_60  29条
 直接の証拠でなく,特許権の背景となる技術レベルの判断資料としては,証拠として採用し使用できる。これは,当業者に常識的なことまで証拠として示し,反論の機会を与える必要があるとすると,審理の遅延を招くだけでなく,証拠を提出する側にも必要以上の負担を強いることとなり公平性に欠けることにもなる。
 メリヤス編機事件では,審判で審理判断されなかった証拠は,訴訟において主張できない旨,判示する(最大510310)が,裁判での新たな証拠による技術常識の認定は可能である旨,判示する。(最一550124)

(特許の要件) 第二十九条
 産業上利用することができる発明をした者は,次に掲げる発明を除き,その発明について特許を受けることができる。 一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
三 特許出願前に日本国内又は外国において,頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
2 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは,その発明については,同項の規定にかかわらず,特許を受けることができない。
 
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