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No.5198 意匠法
【問】  4D9_4
  甲は,意匠権Aの意匠権者であり,意匠権Aに係る登録意匠の実施品である製品aを製造販売している。乙は,意匠権Aの設定の登録後に,意匠権Aの登録意匠に類似する意匠の実施品である製品bの製造販売を開始した。乙の取引先である丙が,乙から製品bを仕入れて,業として製品bを輸出するために,自社の倉庫において製品bを保管している場合,当該保管は,意匠権Aを侵害するものとみなされる。

【解説】  【○】
  意匠権は,同じ物だけでなく,類似品にも権利が及び,輸出は意匠権の実施に該当する。
意匠権を侵害する者に対し,その侵害の停止を請求できるが,停止だけでは再度侵害が発生することが考えられる場合は,侵害の行為を組成した物の廃棄,侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求できる。倉庫に所持保管する行為は,その後輸出される可能性が高いから侵害とみなしている。
参考:Q4685

(差止請求権)
第三十七条  意匠権者又は専用実施権者は,自己の意匠権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止又は予防を請求することができる。
(定義等)
第二条
  2 この法律で意匠について「実施」とは,次に掲げる行為をいう。
一 意匠に係る物品の製造,使用,譲渡,貸渡し,輸出若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為
(侵害とみなす行為)
第三十八条 次に掲げる行為は,当該意匠権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
三 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品を業としての譲渡,貸渡し又は輸出のために所持する行為
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R5.6.6