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No.634  意匠法
【問】  意匠登録出願と特許出願とは先後願が判断されないため,同一の製品について意匠権と特許権が発生することがある。

【解説】 【○】
  意匠と特許の間では,同じ内容の創作と発明であっても先後願は,判断されない。
 先後願とは,後の出願が出願された時点において,先の出願が既に出願されているが,まだ公報が発行されておらず,公知となっていない状態である。既に公開されていれば,先後願としてではなく,公知として,意匠と特許間でも判断が行われる。特に意匠の審査では,実用新案の公報が重要な公知資料の一つとして判断材料とされる。  

(先願)
第九条
 同一又は類似の意匠について異なつた日に二以上の意匠登録出願があつたときは,最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。
 同一又は類似の意匠について同日に二以上の意匠登録出願があつたときは,意匠登録出願人の協議により定めた一の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。協議が成立せず,又は協議をすることができないときは,いずれも,その意匠について意匠登録を受けることができない。

特許法 (先願)
第三十九条
 同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは,最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。
 同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは,特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず,又は協議をすることができないときは,いずれも,その発明について特許を受けることができない。
 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において,その特許出願及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは,特許出願人は,実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみその発明について特許を受けることができる。
 特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合(第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(第四十四条第二項(第四十六条第六項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)に係る発明とその実用新案登録に係る考案とが同一である場合を除く。)において,その特許出願及び実用新案登録出願が同日にされたものであるときは,出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許又は実用新案登録を受けることができる。協議が成立せず,又は協議をすることができないときは,特許出願人は,その発明について特許を受けることができない。
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