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No.690  商標法
【問】  商標権者は,商標権を指定商品ごとに分割して移転することができる。

【解説】 【○】
  業としての実施では,指定商品を別の事業者へ移転する場合などには,商標権も移転することが必要な場合があり,商標法で手当てしている。また,無効審判が請求された場合に無効の対象となっていない指定商品を分割することにより,権利行使が容易になる場合もある。
 この規定は,商標法条約への対応で平成8年に新設された。

(商標権の分割)
第二十四条
 商標権の分割は,その指定商品又は指定役務が二以上あるときは,指定商品又は指定役務ごとにすることができる
 前項の分割は,商標権の消滅後においても,第四十六条第三項の審判の請求があつたときは,その事件が審判,再審又は訴訟に係属している場合に限り,することができる。

商標法条約  1994年10月27日ジュネーヴにて採択
  第7条 出願及び登録の分割
(1)[出願の分割]
(a) 2以上の商品又はサービスを掲げる出願(以下「もとの出願」という。) は,次の期間中,出願人により又は出願人の申請により,もとの出願に掲げる商品又はサービスを2以上の出願に分配することによって当該2以上の出願 (以下「分割出願」という。) に分割することができる。分割出願は,当該もとの出願の出願日及び優先権がある場合にはその利益を維持するものとする。
(i) 少なくとも,標章の登録に関し官庁が決定するまでの間
(ii) 標章を登録する旨の官庁の決定に対する異議申立手続の期間
(iii) 標章の登録に関する決定に対する不服申立手続 ((i)の官庁に対するものを除く。) の期間
(b) 締約国は,(a)の規定に従うことを条件として,出願の分割の要件(料金の支払等)を定めることができる。
(2)[登録の分割] (1)の規定は,登録の分割について準用する。登録の分割は,次の期間中,認められる。ただし,締約国は,自国の法令が第三者に対し標章の登録前に当該標章の登録に異議を申し立てることを認める場合には,登録の分割を認めないことができる。
(i) 第三者が官庁に対して登録の有効性を争う手続の期間
(ii) (i)の手続において官庁が行った決定に対する不服申立手続(当該官庁に対するものを除く。)の期間
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