No.775 民法 【問】 瑕疵ある意思表示の法的効果に関して,詐欺による意思表示は有効であり,取り消すことができる場合がある。 【解説】 【○】 瑕疵とは「きず」の意で何らかの欠点,欠陥があることであり,「詐欺」とは,他人をだまして錯誤に陥れる行為であり,民法上,その意思表示は有効であるが,条件を満たせば取消すことができる。 (詐欺又は強迫) 第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は,取り消すことができる。 2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては,相手方がその事実を知っていたときに限り,その意思表示を取り消すことができる。 3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは,善意の第三者に対抗することができない。 (売主の瑕疵担保責任) 第五百七十条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは,第五百六十六条の規定を準用する。ただし,強制競売の場合は,この限りでない。 (地上権等がある場合等における売主の担保責任) 第五百六十六条 売買の目的物が地上権,永小作権,地役権,留置権又は質権の目的である場合において,買主がこれを知らず,かつ,そのために契約をした目的を達することができないときは,買主は,契約の解除をすることができる。この場合において,契約の解除をすることができないときは,損害賠償の請求のみをすることができる。 2 前項の規定は,売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。 3 前二項の場合において,契約の解除又は損害賠償の請求は,買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 (取消権者) 第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は,制限行為能力者又はその代理人,承継人若しくは同意をすることができる者に限り,取り消すことができる。 2 詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は,瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り,取り消すことができる。 (取消しの効果) 第百二十一条 取り消された行為は,初めから無効であったものとみなす。ただし,制限行為能力者は,その行為によって現に利益を受けている限度において,返還の義務を負う。 |