| 大問６ ＰＣＴ |
次の会話は，電機メーカーＸ社の技術者甲と知的財産部の部員乙が，外国出願に際して，特許協力条約（ＰＣＴ）について会話しているものである。（１）～（３）に入る最も適切な語句を【語群Ⅹ】の中から選びなさい。 甲 「ＰＣＴによる国際出願をし，国際出願日が認められると，どのような効果がありますか。」 乙 「すべての指定国に対して（１）の効果を有します。」 甲 「国際出願においてパリ条約による優先権の主張をすることができますか。」 乙 「はい，できます。その場合，国際出願は（２）から１８カ月後に国際事務局により国際公開が行われます。」 甲 「実際に権利化を図りたい国に対しては，いつまでに手続をする必要がありますか。」 乙 「原則として，（２）から３０カ月経過時までに（３）をすることが必要です。」 【語群Ⅹ】
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| 解答欄 | （１） | ||||||||||
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正解 （１）正規の国内出願 （２）優先日 （３）国内移行手続 甲 「ＰＣＴによる国際出願をし，国際出願日が認められると，どのような効果がありますか。」 乙 「すべての指定国に対して（１：正規の国内出願）の効果を有します。」 甲 「国際出願においてパリ条約による優先権の主張をすることができますか。」 乙 「はい，できます。その場合，国際出願は（２：優先日）から１８カ月後に国際事務局により国際公開が行われます。」 甲 「実際に権利化を図りたい国に対しては，いつまでに手続をする必要がありますか。」 乙 「原則として，（２：優先日）から３０カ月経過時までに（３：国内移行手続）をすることが必要です。」 【解説】 (1)ＰＣＴ（特許協力条約）は，同盟国での権利取得において手続きを統一することによる出願人の負担軽減を図っており，国際出願の受理を管轄する官庁（受理官庁）に出願し受理されれば，同盟国において正規の国内出願と同様の効果を得ることができる。 (2)ＰＣＴはパリ条約の特別な取り決めであり，パリ条約の優先権制度も利用でき，優先権の元となる最初の出願日（優先日）を基準に，優先日から18月後に国際事務局（ＩＢ）が国際公開を行う。 (3)ＰＣＴは世界特許ではなく，権利化を希望する各国ごとに出願する必要があり，これが国内移行手続きで，優先日から30月経過する前に出願人が選択した国に移行手続きを行います。 ⇒ Ｑ1413
《特許法》
第十一条 国際出願日及び国際出願の効果 （１） 受理官庁は，次の要件が受理の時に満たされていることを確認することを条件として，国際出願の受理の日を国際出願日として認める。 （３） 第六十四条（４）の規定に従うことを条件として，（１）（ⅰ）から（ⅲ）までに掲げる要件を満たし，かつ，国際出願日の認められる国際出願は，国際出願日から各指定国における正規の国内出願の効果を有するものとし，国際出願日は，各指定国における実際の出願日とみなす。 第二十一条 国際公開 （１） 国際事務局は，国際出願の国際公開を行う。 （２）（ａ） 国際出願の国際公開は，（ｂ）及び第六十四条（３）に定める場合を除くほか，国際出願の優先日から十八箇月を経過した後速やかに行う。 第三十九条 選択官庁に対する国際出願の写し及び翻訳文の提出並びに手数料の支払 （１）（ａ） 締約国の選択が優先日から十九箇月を経過する前に行われた場合には，第二十二条の規定は，当該締約国については適用しないものとし，出願人は，優先日から三十箇月を経過する時までに各選択官庁に対し，国際出願の写し（第二十条の送達が既にされている場合を除く。）及び所定の翻訳文を提出し並びに，該当する場合には，国内手数料を支払う。 |