問の【解説】 No.93   平成27年12月16日 前回 次回
 商標法:使用権

【問】

  商標権の契約による専用使用権の設定は,登録しなければ効力は発生しない。

【解説】

  【○】 専用使用権は,商標権と同様独占権であり,特許庁備え付けの商標原簿に登録することにより,第三者に対して公示する機能を発揮できるものであり,登録が第三者に対して効力を発生する対抗要件である。

(商標原簿への登録)
第七十一条

  次に掲げる事項は,特許庁に備える商標原簿に登録する。
一  商標権の設定,存続期間の更新,分割,移転,変更,消滅,回復又は処分の制限
二  防護標章登録に基づく権利の設定,存続期間の更新,移転又は消滅
三  専用使用権又は通常使用権の設定,保存,移転,変更,消滅又は処分の制限
四  商標権,専用使用権又は通常使用権を目的とする質権の設定,移転,変更,消滅又は処分の制限
2  商標原簿は,その全部又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。
3  この法律に規定するもののほか,登録に関して必要な事項は,政令で定める。

第二十五条

 商標権者は,指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。ただし,その商標権について専用使用権を設定したときは,専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については,この限りでない。

(専用使用権)
第三十条

 商標権者は,その商標権について専用使用権を設定することができる。ただし,第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権及び地域団体商標に係る商標権については,この限りでない。
2  専用使用権者は,設定行為で定めた範囲内において,指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。
3  専用使用権は,商標権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り,移転することができる。
4  特許法第七十七条第四項 及び第五項 (質権の設定等),第九十七条第二項(放棄)並びに第九十八条第一項第二号及び第二項(登録の効果)の規定は,専用使用権に準用する。
 

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