問と解説: 前回 次回  【戻る】  【ホーム】 
No.1156  著作権法
【問】
  いわゆる海賊版を国外から輸入する行為は,著作権侵害とみなされる行為に該当するため差止請求の対象となるが,損害賠償請求の対象とはならない。

【解説】 【×】
  著作権侵害とみなされる行為は,権利を侵害することとなるから,他人の権利を侵害した者は,損害を賠償する責任を負う,ことは民法に規定されており,著作権においても適用がある。

(侵害とみなす行為)
第百十三条  次に掲げる行為は,当該著作者人格権,著作権,出版権,実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一  国内において頒布する目的をもつて,輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権,著作権,出版権,実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
二  著作者人格権,著作権,出版権,実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を,情を知つて,頒布し,頒布の目的をもつて所持し,若しくは頒布する旨の申出をし,又は業として輸出し,若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
第百十九条  著作権,出版権又は著作隣接権を侵害した者(略)は,十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
2  次の各号のいずれかに該当する者は,五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者(第百十三条第三項の規定により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)
二  営利を目的として,第三十条第一項第一号に規定する自動複製機器を著作権,出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者
三  第百十三条第一項の規定により著作権,出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

民法
(不法行為による損害賠償)
第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
【戻る】   【ホーム】
H29.10.29