No.1558 知的財産 【問】 差止請求権は,現在又は将来の侵害に対するものであって,侵害の停止又は予防を請求できる最も有効かつ直接的な救済措置である。一方,損害賠償請求権は,故意又は不作為によって侵害により生じた損害の賠償を請求し得る権利である。 【○】【解説】 知的財産の権利侵害を証明することは困難な場合が多く,負担を軽減するため推定規定を設けている。 また,侵害のおそれがある場合に放置しておくことは,侵害が行われることが明らかであり,侵害予防の措置として差止を請求できる。 知的財産関係の法律は民法の特別法の位置付けから,民法の規定をそのまま適用できる場合である,損害賠償に関する規定を特別に設けていない。ただし,知的財産法の特別な事情から推定規定や将来の侵害予防措置を規定している。 参考 Q553 Q1035 特許法(差止請求権) 第百条 特許権者又は専用実施権者は,自己の特許権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止又は予防を請求することができる。 2 特許権者又は専用実施権者は,前項の規定による請求をするに際し,侵害の行為を組成した物(物を生産する方法の特許発明にあつては,侵害の行為により生じた物を含む。第百二条第一項において同じ。)の廃棄,侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。 民法 (不法行為による損害賠償) 第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 |
H30.5.13