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No.1643 特許法
【問】 上級
  特許出願について,最後の拒絶理由通知を受け,指定された期間内に特許請求の範囲の減縮を目的とする補正をした場合において,その補正が,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされ,特許法第17 条の2第4項に規定する要件(いわゆる技術的特徴の異なる別発明への補正の禁止)を満たし,請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であり,かつ補正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであったとしても,当該補正が却下される場合がある。

【解説】 【×】
  補正が却下されることは,出願人の不利益処分に当たるから,具体的に法定された規定に反する場合に限られ,問題文が17条の2第3〜6項の要件を満たす場合であるから,却下されることはない。

(願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面の補正)
  第十七条の二  特許出願人は,特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。ただし,第五十条の規定による通知を受けた後は,次に掲げる場合に限り,補正をすることができる。
3  第一項の規定により明細書,特許請求の範囲又は図面について補正をするときは,誤訳訂正書を提出してする場合を除き,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては,同条第八項の規定により明細書,特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書,特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては,翻訳文又は当該補正後の明細書,特許請求の範囲若しくは図面)。第三十四条の二第一項及び第三十四条の三第一項において同じ。)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
4  前項に規定するもののほか,第一項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正をするときは,その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と,その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが,第三十七条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。
5  前二項に規定するもののほか,第一項第一号,第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては,拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は,次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一  第三十六条第五項に規定する請求項の削除
二  特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
三  誤記の訂正
四  明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)
6  第百二十六条第七項の規定は,前項第二号の場合に準用する。

126条
7  第一項ただし書第一号又は第二号に掲げる事項を目的とする訂正は,訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。

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H30.6.28/R3.12.1