No.119 条約:特許独立の原則
【問】 工業所有権の保護に関するパリ条約に規定する3大原則の一つとして,「各国特許の独立」があり,同じ発明について,アメリカでの特許権が無効になっても,日本の特許権が自動的に無効になるわけではない。 【解説】 【○】 パリ条約には,特許独立の原則が規定されている。各国の特許権は,他の国の特許権とは独立していて,アメリカの特許権が無効になっても日本の特許権が無効になることはない。 他の三大原則は,優先権と内国民待遇である。 Q117においては,属地主義の課題 パリ条約 第4条の2 各国の特許の独立 (1) 同盟国の国民が各同盟国において出願した特許は,他の国(同盟国であるか否かを問わない。)において同一の発明について取得した特許から独立したものとする。 (2) (1)の規定は,絶対的な意味に,特に,優先期間中に出願された特許が,無効又は消滅の理由についても,また,通常の存続期間についても,独立のものであるという意味に解釈しなければならない。 (3) (1)の規定は,その効力の発生の際に存するすべての特許について適用する。 (4) (1)の規定は,新たに加入する国がある場合には,その加入の際に加入国又は他の国に存する特許についても,同様に適用する。 (5) 優先権の利益によつて取得された特許については,各同盟国において,優先権の利益なしに特許出願がされ又は特許が与えられた場合に認められる存続期間と同一の存続期間が認められる。 第4条 優先権 A (1) いずれかの同盟国において正規に特許出願若しくは実用新案,意匠若しくは商標の登録出願をした者又はその承継人は,他の同盟国において出願することに関し,以下に定める期間中優先権を有する。 第2条 同盟国の国民に対する内国民待遇等 (1) 各同盟国の国民は,工業所有権の保護に関し,この条約で特に定める権利を害されることなく,他のすべての同盟国において,当該他の同盟国の法令が内国民に対し現在与えており又は将来与えることがある利益を享受する。すなわち,同盟国の国民は,内国民に課される条件及び手続に従う限り,内国民と同一の保護を受け,かつ,自己の権利の侵害に対し内国民と同一の法律上の救済を与えられる。 |
H29.6.12