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 著作権法:権利制限

【問】  公正な慣行に合致するものであり,かつ,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものであっても,未公表の著作物を引用して利用することはできない。

【解説】
【○】 
  引用することは公表される蓋然性が高く,著作者が有する公表権が侵害されることにつながる。
  したがって,未公表の著作物は引用して利用することができない。
 他の権利が制限されている利用においても,公表された著作物が前提である。
 私的使用(30条)に公表された著作物が規定されていないのは,公表されることがないからである。公表すれば私的使用の要件を満たさず,権利制限の範囲外となる。

(公表権) 第十八条
 著作者は,その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し,又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても,同様とする。

(引用) 第三十二条
 公表された著作物は,引用して利用することができる。この場合において,その引用は,公正な慣行に合致するものであり,かつ,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

(私的使用のための複製) 第三十条
 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は,個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは,次に掲げる場合を除き,その使用する者が複製することができる。
 
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