問と解説: 前回 次回  【戻る】  【ホーム】 
No.3371 意匠法
【問】 上級 R2_D3
  意匠イについて意匠登録を受ける権利を有する甲が,展示会で,意匠イが掲載されたパンフレットを配布した。その後,甲は,別の展示会において,乙が独自に創作した意匠イと類似する意匠に係る物品が公開されていることを発見したが,そのパンフレットの配布からまだ1年を経過していないため,甲は,意匠イについて,新規性の喪失の例外の規定の適用を受けるために必要な手続をして意匠登録出願をすれば,意匠登録を受けることができる。

【解説】  【×】 
  新規性の喪失の例外の規定の適用を受けることができるのは,公知とした意匠そのものであり,類似する意匠までが例外として適用を受けることができるものではないから,類似意匠が公知であれば意匠登録を受けることができない。
  参考 Q1789   

 (意匠の新規性の喪失の例外)
第四条  意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠は,その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同条第一項及び第二項の規定の適用については,同条第一項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。
 2  意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠(発明,実用新案,意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同条第一項第一号又は第二号に該当するに至つたものを除く。)も,その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同条第一項及び第二項の規定の適用については,前項と同様とする。
 (意匠登録の要件)
第三条  工業上利用することができる意匠の創作をした者は,次に掲げる意匠を除き,その意匠について意匠登録を受けることができる。
一  意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠
二  意匠登録出願前に日本国内又は外国において,頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた意匠
2  意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときは,その意匠(前項各号に掲げるものを除く。)については,前項の規定にかかわらず,意匠登録を受けることができない。 の規定の適用については,同条第一項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。
【戻る】   【ホーム】
R2.12.4