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No.3427 著作権法
【問】 上級 R2_C2
  映画会社甲の従業員である乙が甲における職務として監督した映画イに,上映の際,冒頭部分にタイトルに続き「監督乙」と表示されていた場合,イの著作権は甲に帰属し,著作者人格権は乙が有する。  

【解説】  【○】 
  映画の著作物の著作者は,映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者であるが,著作者が映画製作への参加を約束している場合,著作権は映画製作者に帰属する。しかし,職務著作に該当する場合は,法人等である映画会社が著作者となり著作権者となる。映画に「監督乙」と表示があれば別段の定めがあると考えられ著作者は監督乙となり著作者人格権を乙が有すると考えられる。
  参考: Q2421

(職務上作成する著作物の著作者)
第十五条 法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で,その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は,その作成の時における契約,勤務規則その他に別段の定めがない限り,その法人等とする。
(映画の著作物の著作者)
第十六条 映画の著作物の著作者は,その映画の著作物において翻案され,又は複製された小説,脚本,音楽その他の著作物の著作者を除き,制作,監督,演出,撮影,美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし,前条の規定の適用がある場合は,この限りでない。
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R3.1.4