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No.378   著作権法:美術  2級
【問】  美術館が,自己の所有する絵画を館内の展示室に展示するに際して,館内に設置した大型ディスプレイで当該絵画を収録した映像を観覧者に見せる行為は,当該絵画の紹介又は解説を目的としている場合には,当該絵画の著作権の侵害とならない。

【解説】【×】28C3_2  2条@17号,22条,38条@,47条
 美術館は絵画を展示するために所有しているもので,展示は自由であるが,無断で絵画を映像として見せる行為は,絵画を電子化する複製権,観覧者に見せる公衆送信権の侵害となる。  

(定義) 第二条
 この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
十七  上映 著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することを いい,これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。
(上演権及び演奏権) 第二十二条
 著作者は,その著作物を,公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し,又は演奏する権利を専有する。
(営利を目的としない上演等) 第三十八条
 公表された著作物は,営利を目的とせず,かつ,聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず,著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には,公に上演し,演奏し,上映し,又は口述することができる。ただし,当該上演,演奏,上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は,この限りでない。
(美術の著作物等の展示に伴う複製) 第四十七条
 美術の著作物又は写真の著作物の原作品により,第二十五条に規定する権利を害することなく,これらの著作物を公に展示する者は,観覧者のためにこれらの著作物の解説又は紹介をすることを目的とする小冊子にこれらの著作物を掲載することができる。
前回の「問と解説」
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