No.733 特許法 【問】 特許権に係る実施権に関して,通常実施権が許諾された場合には,当該通常実施権は,登録しなければ効力を発生しない。 【解説】 【×】 通常実施権の効力は,契約により発生するものであり,登録の有無により効力が左右されるものではない。現在の特許法では,登録制度が規定されておらず,当事者だけでなく第三者に対しても,契約の事実により対抗することができる。 なお,商標法においては,通常使用権の用語を使用するが,通常使用権の登録が第三者対抗要件となっている。 (通常実施権) 第七十八条 特許権者は,その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。 2 通常実施権者は,この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において,業としてその特許発明の実施をする権利を有する。 (通常実施権の対抗力) 第九十九条 通常実施権は,その発生後にその特許権若しくは専用実施権又はその特許権についての専用実施権を取得した者に対しても,その効力を有する。 商標法 (通常使用権) 第三十一条 商標権者は,その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。ただし,第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権については,この限りでない。 2 通常使用権者は,設定行為で定めた範囲内において,指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有する。 3 通常使用権は,商標権者(専用使用権についての通常使用権にあつては,商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り,移転することができる。 4 通常使用権は,その登録をしたときは,その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても,その効力を生ずる。 5 通常使用権の移転,変更,消滅又は処分の制限は,登録しなければ,第三者に対抗することができない。 6 特許法第七十三条第一項 (共有),第九十四条第二項(質権の設定)及び第九十七条第三項(放棄)の規定は,通常使用権に準用する。 |