問と解説: 前回 次回  【戻る】  【ホーム】 
No.781  条約
【問】  特許協力条約(PCT)における国際調査は,国際調査機関が行う。

【解説】 【○】 
  国際調査を行うのは,総会が選定した国際調査機関であり,その要件は規則により定められる。
 なお,日本国特許庁は,国際調査機関であるとともに,国際予備審査機関であり,国際出願の受理官庁でもある。

第15条 国際調査
(1) 各国際出願は,国際調査の対象とする。
(2) 国際調査は,関連のある先行技術を発見することを目的とする。
(3) 国際調査は,明細書及び図面に妥当な考慮を払つた上で,請求の範囲に基づいて行う。
(4) 次条に規定する国際調査機関は,可能な限り多くの関連のある先行技術を発見するよう努めるものとし,いかなる場合にも,規則に定める資料を調査する。

第16条 国際調査機関
(1) 国際調査は,国際調査機関が行うものとし,国内官庁又は出願の対象である発明に関する先行技術についての資料調査報告を作成する任務を有する政府間機関(例えば,国際特許協会)を国際調査機関とすることができる。
(2) 単一の国際調査機関が設立されるまでの間に2以上の国際調査機関が存在する場合には,各受理官庁は,(3)(b)に規定する関係取決めに従い,国際出願についての国際調査を管轄することとなる1又は2以上の国際調査機関を特定する。
(3) (a) 国際調査機関は,総会が選定する。国内官庁及び政府間機関は,(c)に規定する要件を満たしている場合には,国際調査機関として選定されることができる。
(b) 選定は,選定される国内官庁又は政府間機関の同意を得ること及び総会の承認を得て当該国内官庁又は当該政府間機関と国際事務局との間に取決めが締結されることを条件とする。この取決めには,当事者の権利及び義務,特に,国際調査のすべての共通の準則を適用しかつ遵守する旨の当該国内官庁又は当該政府間機関の公式の約束を明記する。
(c) 国内官庁又は政府間機関が選定される前に及び選定されている間満たしていなければならない最小限の要件,特に人員及び資料に関する要件は,規則に定める
(d) 選定は,一定の期間を付して行うものとし,選定期間は,更新することができる。
(e) 総会は,国内官庁若しくは政府間機関の選定若しくは選定期間の更新について決定する前又は選定期間の満了前に,当該国内官庁又は当該政府間機関の意見を聴取し及び,第56条[技術協力委員会]に規定する技術協力委員会が設置されている場合には,同委員会の助言を求める。
PCT規則
第三十六規則 国際調査機関の最小限の要件
36.1 最小限の要件の定義
第十六条(3)(c)に規定する最小限の要件は,次のとおりとする。
(@) 国内官庁又は政府間機関は,調査を行うために十分な技術的資格を備えた常勤の従業者を百人以上有していなければならない。
(A) 国内官庁又は政府間機関は,少なくとも,紙,マイクロフォーム又は電子媒体により,調査の目的のために適正に整備された第三十四規則に定める最小限資料を所有し又は利用し得るようにしていなければならない。
(B) 国内官庁又は政府間機関は,所要の技術分野を調査することができる職員であつて少なくとも第三十四規則に定める最小限資料が作成され又は翻訳された言語を理解する語学力を有するものを有していなければならない。
(C) 国内官庁又は政府間機関は,国際調査の一般原則に従い調査の質の管理制度及び内部における検討制度を設ける。
(D)国内官庁又は政府間機関は,国際予備審査機関として選定されなければならない。
【戻る】   【ホーム】