No.959 特許法 【問】 特許権の行使では,警告をしなければ特許権を行使することができないので,警告書の作成を社外の専門家に依頼する。 【解説】 【×】 権利侵害であることを相手が認識しているならば,警告は必須ではない。 特許権の侵害に対する損害賠償請求の根拠規定は,民法709条によるが,この場合も「故意又は過失」であり,侵害者が侵害であることを認識していれば故意が成立し,警告は必要ない。 (出願公開の効果等) 第六十五条 特許出願人は,出願公開があつた後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは,その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し,その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても,出願公開がされた特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対しては,同様とする。 2 前項の規定による請求権は,特許権の設定の登録があつた後でなければ,行使することができない。 民法709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 |
H29.7.23