No.1853 特許法 【問】 上級 甲は,発明イについて特許出願Aをし,その6月後,発明イ及びロについて出願Aを基礎とする特許法第41 条第1項の規定による優先権を主張した特許出願Bをし,さらにその5月後,発明イ,ロ及びハについて出願Bを基礎とする特許法第41 条第1項の規定による優先権を主張した特許出願Cをした。出願Cに係る発明イ,ロ及びハについての特許法第29 条の規定の適用については,発明イは出願Aの出願の時に,発明ロは出願Bの出願の時に,発明ハは出願Cの出願の時に,出願されたものとみなされる。 【解説】 【×】 国内優先権は,先の出願から1年以内に可能であり,複数の出願を基として優先権を主張することも可能であるが,その場合はすべての出願を基礎とすることが必要で,全ての出願が1年以内であることが必要である。累積的主張を可能とすると,1年以内に限定した意味がなくなる。 本問では発明イは,出願Aに記載されているが,出願Cの優先権は出願Aを基礎としていないので,発明イは出願Cの出願日に出願したものとして扱われる。 参考 Q1332 (特許出願等に基づく優先権主張) 第四十一条 特許を受けようとする者は,次に掲げる場合を除き,その特許出願に係る発明について,その者が特許又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては,外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。ただし,先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは,その特許出願の際に,その承諾を得ている場合に限る。 一 その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合(その特許出願を先の出願の日から一年以内にすることができなかつたことについて正当な理由がある場合であつて,かつ,その特許出願が経済産業省令で定める期間内にされたものである場合を除く。) 2 前項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち,当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された発明 についての第二十九条 の規定の適用については,当該特許出願は,当該先の出願の時にされたものとみなす。 |
H30.9.30