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No.2107 商標法
【問】 上級
  甲の有する商標権に抵触する先願に係る特許権の存続期間満了後の商標を使用する権利(商標法第33 条の2第1項)を有する乙から,当該特許権の実施に係る業務を承継した丙が,不正競争の目的でなく,当該特許権の範囲内において,甲の商標権に係る登録商標をその指定商品に使用した場合,甲は丙に対し当該使用行為の差止めを請求することはできない。

【解説】  【×】
  権利期間は実施できて,権利期間が終了すると実施できないとすることは,特許制度の目的からしても不合理であり,権利の範囲内で継続して実施できる。しかし,32条に明記されるような権利の承継人まで実施できるわけではない。

(特許権等の存続期間満了後の商標の使用をする権利)
第三十三条の二 商標登録出願の日前又はこれと同日の特許出願に係る特許権がその商標登録出願に係る商標権と抵触する場合において,その特許権の存続期間が満了したときは,その原特許権者は,原特許権の範囲内において,その商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその登録商標又はこれに類似する商標の使用をする権利を有する。ただし,その使用が不正競争の目的でされない場合に限る。
(先使用による商標の使用をする権利)
第三十二条 他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果,その商標登録出願の際(・・・)現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは,その者は,継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は,その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。当該業務を承継した者についても,同様とする。

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H31.2.9