問と解説: 前回 次回  【戻る】  【ホーム】 
No.3826 特許法
【問】  23_33_3
  特許権者が,その特許権を侵害した者に対し,特許法第102条第3項の規定に基づき,その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を,自己が受けた損害の額として損害賠償請求をする場合,現に特許権者が第三者からその特許発明につき契約で定めた実施料率に基づいて実施料を得ているときには,上記「その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額」は,当該実施料率に基づいて算定されなければならない。

【解説】  【×】
  特許権者は通常実施権を設定する際に,種々の要件を考慮して実施料率を設定しており,一律に決まるものではないから,既存の他の契約を,権利侵害の侵害の額として算定する根拠としなければならない規定も必然性もない。
  参考 Q3588
   
(損害の額の推定等)
第百二条  特許権者又は専用実施権者が故意又は過失により自己の特許権又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その者がその侵害の行為を組成した物を譲渡したときは,その譲渡した物の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に,特許権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を,特許権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた額を超えない限度において,特許権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。ただし,譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を特許権者又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは,当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。
3 特許権者又は専用実施権者は,故意又は過失により自己の特許権又は専用実施権を侵害した者に対し,その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を,自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる
【戻る】   【ホーム】
R3.8.2