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No.4208 意匠法
【問】  3_D10_3
  甲は,「美容用ローラー」の登録意匠イの専用品ではないが,意匠イと類似の意匠ロの美感の創出に不可欠な持ち手を製造している。この時,甲の持ち手の製造行為が意匠法上の間接侵害に該当するためには,意匠ロが登録意匠イに類似すること及び同持ち手が意匠ロの実施に用いられることを知っている必要があり,甲が過失によりこれらの事実を知らなかった場合には,甲の製造行為は意匠法上の間接侵害に当たらない。

【解説】  【○】
  意匠権を侵害する蓋然性が高い,登録意匠に係る物品の製造にのみ用いる物は,放置すると権利者の損害が生じることが明らかであるから,法が権利を侵害するものと擬制している。権利侵害といえるためには,悪意ある行為であることが前提であり,違法であることを知らない場合は,権利侵害を問えない。
 通常,侵害者に権利侵害である旨を通知することにより,権利侵害となることを知らせ,その後の実施を権利侵害と知っていながら実施する悪意の実施であるといえるようにしている。
    参考 Q3586 

(侵害とみなす行為)
第三十八条 次に掲げる行為は,当該意匠権又は専用実施権を侵害するものとみなす。
一 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について業として行う次のいずれかに該当する行為
イ 当該製造にのみ用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造,譲渡,貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
二 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等(これらが日本国内において広く一般に流通しているものである場合を除く。)であつて当該登録意匠又はこれに類似する意匠の視覚を通じた美感の創出に不可欠なものにつき,その意匠が登録意匠又はこれに類似する意匠であること及びその物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等がその意匠の実施に用いられることを知りながら,業として行う次のいずれかに該当する行為
イ 当該製造に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造,譲渡,貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為
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R4.2.10