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No.4689 著作権法
【問】  29C5_3
  購入した音楽CD をパソコンのハードディスクに私的使用の目的で複製した後,その複製物を保存したままで,当該音楽CD をインターネット・オークションによって公に譲渡した場合,複製権侵害とみなされる。

【解説】  【×】
  正規に購入した音楽CDを私的に使用することは,複製することも含め権利侵害とならない。また, 著作権者は,最初の譲渡で著作権の対価を得ており,その後の譲渡において再度の対価を得ることは,流通ごとに著作権者の許諾が必要となり,経済活動の阻害要因となるから,権利の消尽として再譲渡に譲渡権が及ばない。したがって,私的使用目的の複製物の譲渡でなく,購入した真正品の譲渡は複製権侵害とならない。
  参考 Q1471

(私的使用のための複製)
第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は,個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは,次に掲げる場合を除き,その使用する者が複製することができる。
(譲渡権)
第二十六条の二  著作者は,その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては,当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は,著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には,適用しない。
一  前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
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R4.10.6