No.4814 意匠法 【問】 4D3_2 甲は,カップ型容器にアイスクリーム材を充填して冷凍成形した「容器付冷菓」の発明及び意匠イを完成した。「容器付冷菓」の意匠イは,アイスクリーム材と容器とが一体的な状態で市場に流通する1つの意匠であり,2以上の意匠を包含しない。「アイスクリーム用容器」の意匠ロは,意匠イの一部を構成する容器部分と同一の意匠である。甲は,令和4年1月1日にパリ条約の同盟国のX国へ,意匠イについて,正規かつ最先の意匠登録出願Aをした。乙は,令和4年2月1日に意匠ロに類似する意匠ハについて意匠登録出願Bを日本国にした。甲は,令和4年2月3日に意匠イに係る出願Aを基礎とするパリ条約による優先権の主張を伴う意匠登録出願Cを日本国に行い,出願Cについて意匠公報が発行された。この場合,意匠ハに係る出願Bは,意匠イに係る出願Cの意匠公報を根拠に意匠法第3条の2に基づいて拒絶される。 【解説】 【○】 パリ条約の優先権主張の効果は,基礎とされた出願に記載された意匠について,他者にいかなる権利も与えず,また不利な扱いを受けないものであるから,パリ優先の基礎とされた意匠イに類似する意匠ハついて権利が発生することはない。 参考:Q1765 (意匠登録の要件) 第三条の二 意匠登録出願に係る意匠が,当該意匠登録出願の日前の他の意匠登録出願であつて当該意匠登録出願後に第二十条第三項又は第六十六条第三項の規定により意匠公報に掲載されたもの(以下この条において「先の意匠登録出願」という。)の願書の記載及び願書に添付した図面,写真,ひな形又は見本に現された意匠の一部と同一又は類似であるときは,その意匠については,前条第一項の規定にかかわらず,意匠登録を受けることができない。ただし,当該意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であつて,第二十条第三項の規定により先の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条第四項の規定により同条第三項第四号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前に当該意匠登録出願があつたときは,この限りでない。 |
R4.11.28