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No.5287 意匠法
【問】  C44_2J19_3
  かばんメーカーX社は,デザイン会社Y社に対して,新製品のビジネスバッグのデザインの創作を依頼した。Y社の社員である甲と乙は,共同でデザインAを創作した。X社の知的財産部の部員丙の次の発言は適切である。なお,Y社の職務創作に関する規程において,意匠登録を受ける権利の承継について,別段の定めはないものとする。
「甲と乙の意匠登録を受ける権利は,一旦,Y社に移転しなければX社に移転することはできません。」

【解説】  【×】
  意匠出願における意匠の創作者は自然人であることが要件であり,社員が意匠を創作した場合,意匠登録を受ける権利は創作者である社員に発生する。職務創作の場合,意匠登録を受ける権利はその発生した時から企業に帰属するが,あらかじめ使用者等に意匠を受ける権利を取得させることを定めていないので,職務創作に該当せず,甲と乙の意匠登録を受ける権利は,両名の判断でY社を介さずX社に移転することができる。
 参考:Q4242

(特許法の準用)
第十五条 
3 特許法第三十五条
(仮専用実施権に係る部分を除く。)(職務発明)の規定は,従業者,法人の役員又は国家公務員若しくは地方公務員がした意匠の創作に準用する。

 《特許法》
(職務発明)
第三十五条
3 従業者等がした職務発明については,契約,勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは,その特許を受ける権利は,その発生した時から当該使用者等に帰属する。
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