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No.5299 意匠法
【問】  C44_2J25_3
  文房具メーカーX社は,開発中の万年筆の試作品Aと,ボールペンの試作品Bを展示会に出品した。試作品A及び試作品Bには,特徴的な蝶のマークが施されていた。試作品A及び試作品Bが好評であったので,製品化が決定され,意匠登録出願を検討している。なお,万年筆とボールペンは類似する物品である。X社の知的財産部の部員の次の考えは適切である。
 X社は,試作品Aに係る意匠について,本意匠の意匠登録出願として,試作品Bに係る意匠について,関連意匠として意匠登録を受けることはできない。

【解説】  【×】
  関連意匠の出願は,本願意匠の出願とは別の独立した出願であり,自己が公開した意匠について, 新規性の喪失の例外の規定の適用を受ける手続きを行って出願すれば公開したものとして扱われず,公開した意匠に加え公開した類似する意匠についても,適用をうけるための手続きをすれば,試作品Bに係る意匠についても関連意匠として意匠登録を受けるこができる。
 参考:Q3968

(意匠の新規性の喪失の例外)
第四条
2  意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた意匠(発明,実用新案,意匠又は商標に関する公報に掲載されたことにより同条第一項第一号又は第二号に該当するに至つたものを除く。)も,その該当するに至つた日から一年以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同条第一項及び第二項の規定の適用については,前項と同様とする。
(関連意匠)
第十条 意匠登録出願人は,自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうちから選択した一の意匠(以下「本意匠」という。)に類似する意匠(以下「関連意匠」という。)については,当該関連意匠の意匠登録出願の日(・・・)がその本意匠の意匠登録出願の日以後であつて,当該本意匠の意匠登録出願の日から十年を経過する日前である場合に限り,第九条第一項又は第二項の規定にかかわらず,意匠登録を受けることができる。・・・
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