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No.4630 特許法
【問】  29P10_2
  前置審査において,審査官は,審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定の理由と異なる拒絶の理由を発見し,請求人に対してその拒絶の理由を通知し,期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。この場合において,その期間内に請求人からなんら応答がなく,特許をすべき旨の査定をすることができないとき,審査官は,拒絶をすべき旨の査定をすることなくその審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。ただし,期間の延長は考慮しないものとする。

【解説】  【○】
 前置審査は,本来審判官が審理すべきところを,審査における拒絶の理由が補正により解消する場合が多いことから,審判請求に伴って補正された内容を既に発明の内容を熟知している審査官による審査を経ることにより,行政効率の向上を図ったものである。
 したがって,審判請求の趣旨である「特許をすべきもの」との判断に合致する,特許査定を行う前提であれば,拒絶理由通知も可能である。これに,審判請求人が意見書又は補正書により対応したが,それでも特許できないと審査官が判断した場合は,特許庁長官への報告がなされる。
     参考:Q1889

<前置審査>
第百六十二条  特許庁長官は,拒絶査定不服審判の請求があつた場合において,その請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面について補正があつたときは,審査官にその請求を審査させなければならない。
第百六十四条  審査官は,第百六十二条の規定による審査において特許をすべき旨の査定をするときは,審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。
3 審査官は,第一項に規定する場合を除き,当該審判の請求について査定をすることなくその審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。
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