No.5154 特許法 【問】 4P15_5 パリ優先権を主張して,日本国に特許出願をする場合,最初の出願の日から1年4月以内に,特許法第43条第2項に規定する書類(いわゆる優先権書類)を提出しなかった場合は,直ちに当該パリ優先権の主張はその効力を失う。 【解説】 【×】 優先権の主張は出願と同時に行う必要があり,優先権の根拠とする証明書等は最初の出願の日から,一年四月以内に特許庁長官に提出することが原則であるが,提出がない場合はその旨が通知され,提出することができ,また責めに帰すことができない理由があるときは,その後に提出することも可能であり,優先権書類が提出されなかった場合に,直ちに優先権の効果を失うことはない。 参考:Q3507 (パリ条約による優先権主張の手続) 第四十三条 パリ条約第四条D(1)の規定により特許出願について優先権を主張しようとする者は,その旨並びに最初に出願をし若しくは同条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし又は同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の国名及び出願の年月日を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。 2 前項の規定による優先権の主張をした者は,最初に出願をし,若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし,若しくは同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の認証がある出願の年月日を記載した書面,その出願の際の書類で明細書,特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲及び図面に相当するものの謄本又はこれらと同様な内容を有する公報若しくは証明書であつてその同盟国の政府が発行したものを次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月以内に特許庁長官に提出しなければならない。 一 当該最初の出願若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により当該最初の出願とみなされた出願又は同条A(2)の規定により当該最初の出願と認められた出願の日 二 その特許出願が第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日 三 その特許出願が前項,次条第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による他の優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日 3 第一項の規定による優先権の主張をした者は,最初の出願若しくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願又は同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の番号を記載した書面を前項に規定する書類とともに特許庁長官に提出しなければならない。ただし,同項に規定する書類の提出前にその番号を知ることができないときは,当該書面に代えてその理由を記載した書面を提出し,かつ,その番号を知つたときは,遅滞なく,その番号を記載した書面を提出しなければならない。 4 第一項の規定による優先権の主張をした者が第二項に規定する期間内に同項に規定する書類を提出しないときは,当該優先権の主張は,その効力を失う。 5 第二項に規定する書類に記載されている事項を電磁的方法(電子的方法,磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)によりパリ条約の同盟国の政府又は工業所有権に関する国際機関との間で交換することができる場合として経済産業省令で定める場合において,第一項の規定による優先権の主張をした者が,第二項に規定する期間内に,出願の番号その他の当該事項を交換するために必要な事項として経済産業省令で定める事項を記載した書面を特許庁長官に提出したときは,前二項の規定の適用については,第二項に規定する書類を提出したものとみなす。 6 特許庁長官は,第二項に規定する期間内に同項に規定する書類又は前項に規定する書面の提出がなかつたときは,第一項の規定による優先権の主張をした者に対し,その旨を通知しなければならない。 7 前項の規定による通知を受けた者は,経済産業省令で定める期間内に限り,第二項に規定する書類又は第五項に規定する書面を特許庁長官に提出することができる。 8 第六項の規定による通知を受けた者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内に第二項に規定する書類又は第五項に規定する書面を提出することができないときは,前項の規定にかかわらず,経済産業省令で定める期間内に,その書類又は書面を特許庁長官に提出することができる。 9 第七項又は前項の規定により第二項に規定する書類又は第五項に規定する書面の提出があつたときは,第四項の規定は,適用しない。 |
R5.5.26