No.5210 意匠法 【問】 4D10_4 意匠権者は,正当な理由があり,意匠権の登録料を追納期限である令和4年1月10日までに納付できなかった。その後,同月15日に登録料を納付することができない理由が消失し,同年2月15日に登録料を追納し,その後意匠権の回復の登録がされた。この場合,同年1月31日から善意に日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は,その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において,その意匠権について通常実施権を有する。 【解説】 【×】 ユーザフレンドリーの観点から,期間の徒過による救済規定が種々設けられている。納付期限内に登録料の納付がない場合,今まで存在した権利が消滅しだれでも自由にその意匠を実施できるものであり,追納期間は権利回復の可能性があるが,追納期間経過後に権利が回復した場合,実施のために資金を投入した者に不測の損害が生じることを避けるために,回復の登録前に実施をしている者は,その意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができることとしている。これは特許法に規定される先使用権(79条)や後用権(176条)とは異なり通常実施権ではない。 参考:Q4477 (回復した意匠権の効力の制限) 第四十四条の三 前条第二項の規定により意匠権が回復したときは,その意匠権の効力は,第四十四条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後意匠権の回復の登録前に,輸入をし,若しくは日本国内において製造若しくは取得をした当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る物品若しくは画像記録媒体等,日本国内において建築若しくは取得をした当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る建築物又は日本国内において作成若しくは取得をした当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像には,及ばない。 2 前条第二項の規定により回復した意匠権の効力は,第四十四条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後意匠権の回復の登録前における次に掲げる行為には,及ばない。 一 当該意匠又はこれに類似する意匠の実施 (登録料の追納による意匠権の回復) 第四十四条の二 前条第四項の規定により消滅したものとみなされた意匠権の原意匠権者は,同項に規定する登録料及び割増登録料を納付することができるようになつた日から二月以内で同条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後一年以内に限り,経済産業省令で定めるところにより,その登録料及び割増登録料を追納することができる。ただし,故意に,同項の規定により登録料を追納することができる期間内にその登録料及び割増登録料を納付しなかつたと認められる場合は,この限りでない。 2 前項の規定による登録料及び割増登録料の追納があつたときは,その意匠権は,第四十三条第二項に規定する期間の経過の時にさかのぼつて存続していたものとみなす。 |
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