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No.5479 特許法
【問】  C45_2j30_3
  文房具メーカーX社は,新規な構造を有するボールペンaについて特許出願Aをしていたが,その後,類似の構造を持つ新規なボールペンbも開発したため,特許出願Aに基づいて,国内優先権の主張を伴う特許出願Bを行った。特許出願Bの特許請求の範囲には,ボールペンaに係る発明と,ボールペンbに係る発明とがそれぞれ記載され,そのまま登録された。その後,Y社が,ボールペンaと同一の構造を有するボールペンcを製造販売していることが判明した。ボールペンcの製造販売及びその準備の開始時期が,特許出願Aの後であって特許出願Bの前である場合,Y社はボールペンaに係る特許権について先使用による通常実施権を有する。

【解説】  【×】
  優先権は先の出願に基づいて新たな出願をすることができる制度であり,出願日が遡及することはないが,先の出願に記載されている事項はその後の他の出願や公知な事項によって影響を受けることはない。ボールペンaの出願日は,ボールペンcの製造販売及びその準備の開始時期より前であるから,Y社は先使用に該当せず通常実施権を有さない。
 参考:Q5118

(特許出願等に基づく優先権主張)
第四十一条 特許を受けようとする者は,次に掲げる場合を除き,その特許出願に係る発明について,その者が特許又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては,外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。ただし,先の出願について仮専用実施権を有す る者がある ときは,その特許出願の際に,その承諾を得ている場合に限る。
(先使用による通常実施権)
第七十九条  特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし,又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して,特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は,その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において,その特許出願に係る特許権について通常実施権を有する。
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R5.10.29